2007年7月17日 (火)

その3

「理念」、これ大事ですよね。福祉の世界では特に、大事です。

実践論としての「理念」は戦略論であり、実践そのものは戦術論に関わる領域です。戦略論とは戦術本質論であることからして、理念は実践を止揚するものであります。したがって理念は常に必ず実践的なものなのです。

「とにかく、俺たちゃぁ、これがしたいんだ。こうしたいんだ。だからこうするんだ。」…これが理念ですよね。理念とは、実践主体がさまざまな限定・規定を受けながらそこ存在しながらも、さまざまな限定・規定をいったん振り払い、捨象し抽象化した実践の概念でありますので、必ずしも具体的な(被規定性を受けた現実的な)実践の指針そのものにはなりません。実践の指針そのものは戦術であり、理念すなわち戦略は、実践主体の背中ににじみ出るものでありその源は実践主体の腹のなかにあるものです。というより、あるべきものです。

さて、福祉事業における「理念」は、常に必ず「数字」(工賃や収益など)と結びついているものばかりではありません。むしろそれらと縁遠い場合もあります。

そうした福祉事業者と「数字」の話をする場合、その事業者の「理念」をまずは肯定的に聞き出し、その「理念」とのつながりを考えておく必要があります。くれぐれも「理念」の否定の上に「数字」を持ち出さないこと。「数字」から「理念」を裁断しないこと。

物差しの違いは当然あります。でも互換性を持たせればいいだけのことです。相手の物差しを否定してしまったら互換性もくそもありません。

具体的な例を出しましょう。

いや、やっぱり例を出すのはまずいかも…。

息子たちが風呂から出てきたので今日はここまで。

読んで損した?

失敗したなぁ~。そんな時間もないくせに仰々しい書き出しをしてしまった。年賀状を書くときに「新年」の「新」ばかりデカく書いてしまって、書ききれなくなってしまった、そんな感じです。

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2007年7月15日 (日)

その2

<○人対△人>の概念

就労系福祉事業の特徴として、あるいは就労系福祉事業そのものを解明する際の物差しのひとつとして、この<○人対△人>の概念というものがあります。

職員あるいは職業指導員○人に対して、障害者あるいは作業員△人見ながら作業を遂行するのか、という問題です。

事業所全体として、例えば指導員3人に対して作業員20名というデータ。それをさらに細かく分析します。指導員Aはおもに作業Dに従事し、3人の作業者を抱えている。(例えばグループ就労のような形。)指導員Bは作業Eで、作業員10人。指導員Cは作業Fで作業員7人。…こんな感じでさらにそれぞれの事業収入と粗利率を出すわけです。

企業の世界では、一定規模の生産性を前提として、そこで必要な労働者数が過剰ならば、リストラ等の手段で生産性やその規模に合った人員に合わせていきます。しかし福祉の世界は違います。「20人いないと事業が成り立たない」そういう判断が加わってくるわけです。しかし20人集めたところで、例えば半数を遊ばせておくわけにはいかない。そういう現場の苦悩もあるわけですよね。

一般に企業の世界では、高付加価値の労働は○であって、低付加価値の労働は×です。(薄利多売形式云々の問題は別として。)しかし福祉の世界ではそう単純にいかない部分もあるわけです。

ちょっと見て行きましょう。(経費等の問題は割愛して考えます。)

(A)指導員1名と作業員2名で年収300万円の事業を行う。

(B)指導員1名と作業員10名で年収300万円の事業を行う。

企業の価値観だけで見た場合、(A)は(B)よりもいい事業です。作業員一人当たりの収入も(A)の方が断然いいわけです。

企業的価値観における判断としては、(B)から(A)に切り替えていくべきということになるのでしょう。

でも(A)の事業だけで、利用者=作業者20人抱えるということは、指導員を10人用意しなければならないということになるわけですよね。(単純化していえばの話ですけれど。)そうすると、就労支援事業活動収支としては、高工賃を払えて○なわけですけど、福祉事業活動収支としては人件費コストが高騰し、×なわけです。「就労~収支」で事業が潰れることはありませんが、「福祉~収支」如何では、事業も潰れます。

 むしろ(B)のような、指導員一人で多くの作業員を見ることができる作業を有しているということは、その後の事業展開がしやすくなります。新たな事業を起こそうとした場合、いきなり指導員一人がたくさんの人数を見きれるわけはありません。自分自身も試行錯誤なわけですから、少人数と集中的に関わりながらしばらくは作業を進めていくことになります。作業を提供できず、待たせるだけになってしまっている人を目の前に5~6人並べて「さあ、新しいことを始めるぞ」といってもそれがいかに難しいことかは現場の人間なら分かりますよね。まず全員に満遍なく作業を提供できる背景を作りつつ、指導員1名と少数の作業員で新たなことに取り組めるという環境づくりも実は大事な時もあるのです。そして軌道に乗ったときに大きく全体をシフトチェンジしていくことになるわけですよね。そういう意味で、ベースになる作業のあり方ということも就労系福祉事業の展開においては大切になってくるわけです。ひとりでたくさんの人数を集約できる作業を持っていることは、その付加価値の如何に関わらず、その事業所の強みとなるわけです。ただしそこに安住していたら、次の展開は見えてきません。

 この辺の現場ならではの事情は、企業的価値観だけでは見えてきません。

就労系福祉事業の成功事例として、「Aという作業からBという作業に(私が)切り替えて、事業は大きく前進した」という報告をよく聞きます。しかし忘れてはならないことは、Aという作業があり、そこに多くの作業員を集約できる背景が前提としてあったからこそ、Bという作業の導入とその切り替えがうまくいったということです。だから単純に非生産的(と思われる)事業を片っ端から否定して回ることがいいことではないのです。

それらの企業的価値観との違いは、<生産性・必要人員→労働者人員>という企業と、<必要労働者人員→生産性>という就労系事業のベクトルの違いを根本にしているのです。

これらは一例に過ぎないのですが、基本的には<○人対△人>の概念を事業所の経営分析の際の基準のひとつにすると、いろいろなことが見えてきます。

今日はこれでおしまいです。明日も仕事。本当は息子と釣りに行きたかったなあ。有給休暇を取ったあなたを責めているわけじゃないですよ。たぶん、きっと。

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その1

福祉の世界の特殊性のひとつとして、作業従事者の給料(工賃)と、職業指導員の給料の出所が基本的には違うということがあります。前者は事業収入で「就労支援の事業の会計処理の基準」では、就労支援事業活動による収支として取り扱われる領域です。後者は公費(+利用者個人負担金)を中心とした展開の中での経費となります。福祉事業活動による収支として取り扱われます。

事業収益の拡大が、職業指導員の質的量的拡充に反映しづらく、また事業種別・利用者数などによって福祉事業活動における収支の規模が概ね定められてしまう。事業収益を希求しながらも、それがマンパワーの拡充につながりにくいという点。その点が特殊といえば特殊なわけです。設備投資の規模をいくら大きくしても、労働集約性は基本的には高く、マンパワーが事業収支の規模を大きく左右しながらも、その逆はない。半透膜のような関係になっているわけです。

そのような特殊性に踏まえるならば、こんなデータもその事業所(の可能性)を知る上で貴重になってくるように思います。エンゲル係数みたいなものですが。

福祉事業活動における収支において、人件費のうち、実際に作業に携わる人の経費割合はどのくらいなのか。その割合が高ければ高いほど、今後の事業展開を進めやすいということができます。あえて人数にしないのは「常勤1名雇用するか、パート2名雇用するか」は現場判断となるからです。そしてそれは作業の中味などによっても規定されます。

逆から言えば、作業に携わらない人にかかる経費をどう抑えるかということも大切なわけです。そうすると、経理・事務の効率化をどう実現するかという問題にもなってきます。経理・事務は、生き物である事業のレントゲン写真のように、その内部を正確に映し出さなくてはなりません。とはいえ、それが非効率的で、そこに経費を多く投じなければならない状況では、生産事業そのものの展開は難しくなってくるということです。経理の外部委託の場合も同様です。

ソフトウェアの開発も含めて、経理・事務負担の軽減を考案することも、各事業所が生産事業活動を推進する上での貴重な触媒になりえるということです。もちろん、事務を簡素化しすぎて管理者や現場の人にとって事業の動きが見えづらくなるようでは困ります。そのへんのサジ加減は、現場の意見を取り入れながら進めないといけない分野かと思います。

こんな感じで書いていこうかな?

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基礎理論?

<授産事業、就労支援事業、福祉作業所等における「工賃倍増計画」策定について>

しばらくちょっと固い記事でいこうかと思います。「育児」から入ってこられた方、「ペット」から入ってこられた方には申し訳ありませんが、ちょっと難しい話が続くかもしれません。

平成19年度から全国の都道府県で「工賃倍増計画支援事業」が実施され、授産施設・就労系事業所等の工賃水準を引き上げるための具体的事業が動き出しました。各都道府県で、工賃倍増計画実施事業が展開され、千葉県においても「計画策定ワーキングチーム」が発足しました。

全国の具体的事業を見ても、あるいは厚生労働省の示す具体例などを見ても、「経営コンサルタントの派遣」や施設長クラスの研修・セミナーなどが中心になっていくようです。経営コンサルタントの派遣は、ビジネス理論(マーケティングや営業の手法・理論)に基づく経営分析や提案などがなされ、各種研修・セミナーなどではそれに加えて先駆的事例などの検討が行われるようです。

厚生労働省の打ち出す「工賃倍増計画支援事業」においては、一定の予算措置もなされ、実践とその結果が求められるものであるからして、より実践的な事業として遂行されていくものだと思います。そして事業の性格上そうあるべきだとも思います。

しかし私が最近考えているのは、本来ならばもう少し基礎理論の解明に力を入れるべきだろうな、ということです。企業経営に関する諸理論に基づいて授産・就労系諸事業の工賃向上戦略を解明することはとても有意義なことだとは思います。しかしなお、その独自性により残るべき問題というものが存在し、そこを残したまま理論の輸入(企業→福祉)に頼っていては残るべき問題が依然取り残され、実体論的には福祉・就労系事業の二極化が進むだけのような気がします。もちろんそれはそれでいいのかもしれませんが、やはりなお「工賃」に関する全体を包み込む基礎理論というものの解明が必要なように思われます。

経済政策論や社会政策論等の分野においても、外国から輸入された理論をそのまま適用しても、あまり結果には結びつきません。それぞれの政治経済的あるいは宗教・文化的な歴史的特殊性に踏まえて理論は再構築させなければ、思うような結果は得られないのです。

外来生物が在来種を駆逐するという事例は、この場合の例えにはならないかな?

話を戻して。

「就労支援の事業の会計処理の基準」というものが厚生労働省より示され、とりわけ原価計算をきっちり行えるような会計処理方法が示されました。私なりにその「目玉」と思うのは、「就労支援事業製造原価明細表」、「販売費及び一般管理費明細表」の作成を「就労支援事業別事業活動収支内訳表」の明細表として位置づけるという部分であります。「製造原価」と「販売費及び一般管理費」(「販管費」といいます。)を明確に区分するということ。福祉の現場は、やや製造原価に倒して考えがちな部分があったのですが、「販管費」の概念上の整理によって、マーケティング理論を受け止める土壌が会計処理の分野においても整理されたと認識しています。現場の会計は、しばらくはやや混乱もするかと思いますが、長い目で見たとき、きっとプラスに作用すると個人的には思っています。

簡単に言えば、作ることだけでなく売ることの価値基準を会計処理上でも正しく計るべきだということでしょう。「売ること」からの逆規定を受けない「作ること」は、本当の意味での「作ること」にはなっていなかったということです。あくまでも会計処理の基準・方法に関してのことですが、マーケティング理論を(就労系)福祉の地平において土着化させるための基礎工事は行われたということです。

ただしそれはマーケティング理論に関してのことであり、それは(就労系)福祉事業における工賃向上に関する基礎理論の中の一部を構成するものに過ぎません。

(これ以上、会計の話を引っ張ると9割の方が引いてしまうので、止めます。)

基礎理論の解明が重要だといいながら、もちろん私にそんな力はないし、私の任務だとも思っていません。ただし、現場のど真ん中の視点として「この辺の理論領域を解明すべき」という提案ならできるかな、と思います。

それを多少シリーズ化して、小出しにしてみようかな、と思いました。読者数が減れば、その時点で辞めようかな(笑)。

おっ、仕事が舞い込んできた。日曜の夜だというのに。ではまた。

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2007年3月18日 (日)

数学のお勉強~誰のための工賃倍増?~

以下は、ある記事から抜粋。

 厚生労働省は、福祉施設で働く障害者の工賃水準をアップさせる「工賃倍増計画」に基づく都道府県の各種支援事業に対し、1都道府県当たり1000万~3000万円を補助する方針を決めた。障害者の収入を増やし、地域で自立した生活を営めるよう後押しするのが狙い。各県が策定する工賃倍増計画には、「企業とのつながりが弱い」など福祉施設の弱点を洗い出した上で、コンサルタントや企業OBによる経営指導や市場調査を行い、収益性の向上を図る対策を盛り込む。

 授産施設などで働く障害者は全国でおよそ8万人。単純労働ということもあって工賃は月額1万円以下が半数を占め、平均でも約1万5000円と低い。

 同省は、単身の衣食住の出費に必要な最低水準を「月10万円」に設定。障害者年金(月額約6万6000円)に加え、工賃を倍増させ3万円とすることで「月収10万円」に近づけたい考えだ。都道府県、市町村が策定する第2期障害福祉計画の目標年度である11年度までの5年間で達成することをめざす。

これも別の記事(毎日新聞・鳥取県)から。

県:障害者の自立支援を 工賃3倍計画、就業支援など新規事業--当初予算 /鳥取
3月11日13時1分配信 毎日新聞

 県内で働く障害者約1200人の収入を増やして自立を促そうと、県は07年度当初予算に工賃3倍計画事業費(861万円)を新たに計上した。障害者の職場実習を受け入れる事業所へ支給する謝礼金などに充てられる新規就業支援事業(3542万円)も初計上。障害者自立支援法の施行に伴う支援策の一環で、法定雇用率1・8%の達成を目指す。
 厚生労働省は障害者の単身生活に必要な最低水準を月10万円と定め、障害者年金(2級、6万6000円)に全国平均1万5000円の工賃を倍増させて「月10万円」を実現させる工賃倍増計画を策定。地域で自立した生活が営めるよう、都道府県に各種支援事業を実施するよう求めていた。
 県によると、県内で働く障害者は授産施設に630人、小規模作業所に560人おり、平均工賃は国平均より少ない1万1000円。最低水準を満たすには3倍増が必要で、今後5年間で達成を目指すほか、製品の商品化やNPO法人化、企業訪問による販路開拓の促進に取り組む。
 一方、県内の障害者の雇用率は06年6月現在、1・77%と法定雇用率を下回り、事業所の43・5%が未達成であることから、県は障害者の実習を受け入れた事業所に謝礼金を支払うほか、通勤が困難な在宅障害者の就業を促そうと事業発注を請け負う団体への奨励金を支給する。【松本杏】
3月11日朝刊 

 ここにきて、厚生労働省の障害者施設の「工賃倍増計画」がさかんに取り上げられるようになり、その計画事業費を受ける都道府県も、おそらくはさまざまな方策を練り上げている最中ではないでしょうか。
 今からいうと、あの神戸の福祉作業所のつるし上げは、そのための号砲だったのでしょう。「今日、予定通り運動会をやるよ~」という朝に「ド~ン、ド~ン」と鳴るやつと同じ。

 さて、今日は社会のお勉強でしたっけ?

 いや、数学のお勉強でした。上のほうにそう書いてありました。それにしても「工賃倍増計画」…田中角栄の「所得倍増計画」を連想するネーミングですね。個人的にはあまり良いイメージはありません。

 脱線しました。数学に戻ります。
 まず「誰のための工賃倍増」?という問題から考えていきましょう。

「それは働く障害者のみなさんのために決まっているじゃないですか」「本当は誰のため?」「だから、障害者の…」「本当は誰のため?」「だから障害者の!…」「本当は誰のため?」

「工賃倍増」を口にする人がいたら、この質問をしつこく10回くらい繰り返してみましょう。実はその「誰のため」をはっきりさせないと、「計画」の基本線が大きく逸脱してしまう危険性があるからです。

 まず都道府県にとってみたら、国から事業費を受けて事業を遂行するわけですから「平均工賃○○%アップ」「全国で○位」ということが(例え2次的なものだとしても)大切になってくるわけです。また事業者にとってみたら、その工賃アップが事業的(収入的な)な向上につながるかどうかが大切になるでしょう。就労継続支援事業などでは「目標工賃達成加算」などもあります。もちろんそれらの行政サイドの利益・事業者の利益が障害者一人ひとりの利益と完全にマッチングしていれば、問題はないわけです。そしておそらくはマッチングしているという前提でコトは進んでいくのでしょう。

 地域福祉のフィールドで長く仕事をしていると、光が差せば陰を見るという習慣が身についてしまいます。陰こそが私たちのフィールドですから。

 さて数学の問題です。

A君(工賃千円)、B君(工賃3千円)、C君(工賃6千円)、D君(工賃3万円)

この4人の福祉作業所があったとします。(実際は4人では成り立たないのですが。)この作業所の平均工賃(1万円)を上げるという目的のためには、まず誰の工賃を上げることを第1に考えることが効率的でしょうか。

答えはD君(工賃3万円)です。たとえばA君(工賃千円)の工賃が3倍になっても、全体の平均工賃は500円(5%)しか上がりません。しかしD君の工賃が倍になれば、全体の平均工賃は7500円(75%)も上昇するのです。

本来福祉の世界では、もっとも関わりを必要とされるべきA君が放っておかれ、D君の工賃アップが重要視され工賃格差が広がっても、数字上の「平均工賃」の世界では○になるのです。行政にとっても、事業者にとっても、75%上昇は悪くない数字です。これが「平均工賃」の落とし穴のひとつです。簡単な話、生産性の低い障害者を切り落として、生産性の高い障害者と入れ替えれば、「平均工賃」は上がってしまうのですよね。これ、福祉にとっていいこと?

「目標工賃達成加算」についても数字の裏を見て行きましょう。
ある就労継続支援事業B型に20人の障害者が働いています。
単価は、一人日額460単位(4600円)ですから4600円×20人=92000円がその日の障害福祉サービス事業収入となります。
 ただ「目標工賃達成加算」(日額26単位・260円)を得るにはもう一歩「平均工賃」額が足りません。そこでひとり生産性の低い障害者を切り捨ててみました。19人になったので、その分障害福祉サービス事業収入は減るかのように見えます。しかし「平均工賃」は上がり、「目標工賃達成加算」がつくようになりました。一人日額486単位(4860円)になりました。その日の障害福祉サービス事業収入は、4860円×19人=92340円。なんと、生産性の低い障害者を切り捨てたら、340円儲かるようになってしまいました。年額8万円以上です。
 数字の世界なので、実際にはこんなマンガは存在しないかもしれませんが、このケース、「平均工賃」の世界では次のような結果になります。
行政にとってみたら、「工賃倍増計画」の観点から○。
事業者にとってみたら、事業収入アップの観点から○。
切り捨てられた障害者にとってみたらもちろん×。
残った障害者も、利用者負担額が上がってしまうから×。

「誰のための工賃倍増?」…この質問を繰り返さなければならない理由はお分かりでしょうか?

今日は朝から数学のお勉強でした。

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2007年3月16日 (金)

化学のお勉強

酸とアルカリの化学反応によって生成されるものを、一般に塩(えん)という。(塩+水)

HCl+NaOH→NaCl+H2O この場合NaCl(塩化ナトリウム)が塩(えん)なのである。

アルカリは酸の特性を否定し、中和させる。完全な中和はいったいどの割合で可能かについてはモル濃度を通じて明らかにされなければならない。モル濃度とは、1リットルの水溶液中に何個の分子やイオンが溶けているかの割合を示す単位である。

酸とアルカリを示す物質の中和によって何かを生成し、その機能・効能について解き明かすためには、分子レベルの解明が必要になってくる。

今さらながらこんな勉強をしなきゃいけない理由は、あと1~2ヶ月で明らかになると思います。

地域活動支援センタークローバーの新製品が発表されま~す。

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2006年10月 3日 (火)

仕事をこなせる・こなせない

福祉の仕事の基本は、人と関わることです。人と関わる時間を充実させるためには、それ以外の「自分の仕事をこなす」ということが実は大切になってきます。そこをどう考えるか、という記事です。関心がある人、関心を持つべき人だけ読んでください。

誰でも仕事をこなせた時はあるし、こなせない時もある。こなせなかった場合の自分の傾向というものがある。自分の傾向を自分自身はどう見ていて、他人は自分をどう見ているのか、そのつながりをつかむことが「自分の傾向を知る」ということです。自分の傾向を知った上で、それはどうまずいのかを考えることが何よりも大切。そのためのひとつのシミュレーションです。

あなたに鉛筆と色鉛筆、そして画用紙が一枚渡されました。仕事の中味は「森の絵を描いてください。10分以内にお願いします。」というもの。この仕事、あなたはこなせませんでした。自分がこなせなかった理由を、以下のタイプから選んでください。

 

 A:「絵を描くのは苦手だなあ…困ったなあ」と思っている間に時間切れ。

 B:「描こうとは思ったんですけど、鉛筆が折れてしまって描けませんでした」という理由がついてくるタイプ。

 C:「急に言われてもできないよ。」「10分でできるわけないよ」とブツブツ言いながら結局は投げてしまうタイプ。

 D:「自分は苦手なので、○○さんが代わりに描いてくれるといっていました。たぶん描いてくれたと思います」というタイプ。

 E:鉛筆でサッサと書き上げ「終わりました」。色がついていないことを指摘されると「色鉛筆を使えという指示はされていません」と言い返す(あるいは腹の中でそう思う)タイプ。

 F:1本の木を一生懸命葉っぱまで丁寧に描き、それに時間を費やし、途中で「このペースでは終わらない」と気付き、あとになって「やっぱり10分では無理です」というタイプ。

 G:1本の木を一生懸命葉っぱまで丁寧に描き、それに時間を費やす。結局1本だけ丁寧に、あとは適当に「やっつけ仕事」をするタイプ。

 H:途中まではスムーズに描きあげ、色を塗る段階で「葉っぱは春夏なら緑、秋なら枯葉の色、冬なら葉っぱは無し。どの季節の森を描くべきか」を質問しようと思っている間に時間切れのタイプ。

 I:苦手意識で手がつかず、最後にギリギリになって「白紙の状態じゃまずい」と思い、とりあえず描き始めた形跡だけを残すタイプ。

 J:その他のタイプ。

この中で、自分はどのタイプだと思っていますか? そしてそういう「こなせなかった仕事」の例を具体的に挙げてみてください。そして他の人にあなたをどのタイプだと見ているかを聞いてみてください。その上で、そういうタイプは何故まずいのかを考えてみてください。

例えば。EとHは形は違いますが、根っこの部分は同じです。仕事を指示された時、言葉で発せられた指示内容を、言葉になっていない部分までつかみとって理解する力があるかないか。そして指示どおりに行うべき領域と、自分の裁量で判断するべき領域の線引きができないということです。違う指示内容で考えて見ましょう。仕事場の上司から「台所洗剤が切れたから買ってきて」と指示されました。箱入りのケースでまとめ買いして注意されたら「ひとつだけ買ってこいとは指示されなかった」というのがEのパターン。洗剤のメーカー・銘柄の指示がなかったため「確認するまで買えない」というのがHのパターン。

「洗剤を買ってきて」という直接の言葉による指示。その裏にあるものをつかみ出すということは、①仕事場で使う洗剤。昼食後使うだけだからたくさんはいらない。②油物を大量に洗うわけではないので、高価なもの入らない。…これが指示内容を理解するということ。その上で、③常識の範囲の安さで、いろんなメーカーのものから自分で1本選ぶ。…これが自分の裁量の範囲。

これがスムーズに、指示した人の想定とズレない形で行える人が、実は仕事をこなせる人です。

最初の例に戻れば、鉛筆と色鉛筆を渡された時点で「色を塗る」ということは、言葉の指示になっていなくても前提として当然考えるべき(E)であり、季節や葉っぱの色、木の種類などは「自分の裁量」として前提にすべき(H)ことで、いちいち確認の手間をとるべきことでないのです。

そういう感じで考えて自分の傾向を整理することは、福祉の世界でも大切なことです。

もう家を出る時間。6時50分に出るのに現在6時40分。ひゃ~!

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