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2007年5月29日 (火)

作戦!

障害者福祉の現場でさまざまなハプニングを乗り越え、仲間たちの地域生活を作っていくためには、ときにさまざまな作戦を練る必要がある。その作戦について語ったら、記事は何本でも書ける。

以前、何度もおまわりさんのお世話になってしまう仲間がいた。障害を持つ仲間に対して、基本的におまわりさんは優しいから、その人もついつい甘えたくなってしまうとおまわりさんの世話になる方法を選んでしまう。<優しいおまわりさんから、恐い私が彼女を引き取りにいく>という構図では何度も同じことを繰り返すだけだ。

その日、またしても呼び出しがかかり迎えにいった。彼女に会う前におまわりさん数名を呼び集め作戦会議。そして演技指導。おまわりさんが怒って留置所に入れようとしているところに私が入っていって、「今回だけは助けてください!」と彼女を救出し、「もうしません」と約束させる。おまわりさんもノリノリ。しかもやっぱりホンモノの人たちの演技はすごい。私自身演技だと知っていても恐くなってしまうほどの迫力。私が平謝りをしてなんとか彼女を救出し、車に乗せ、彼女に向かってこういった。「ひどい警察だなあ。あんな連中に今度つかまったら本当に何されるか分かんないよ。次につかまったら、俺、助けられないかもしれないよ。」…ウンとうなずく彼女。

 帰り際、こっそりと私が頭を下げると、おまわりさんたちはニッコリしてOKのサイン。(彼女、この記事読まないだろうな?)ここまで演技をしてくれたおまわりさんたちの想い、どうか彼女に届きますように。

 今日は別の彼が朝から暴れる予感。気持ちが優しく、また動揺しやすいため、社会のニュースに感情を制御できなくなってしまう。今日のスポーツ紙のトップ記事は、ある政治家の自殺とあるグループのボーカルの死去。どちらもとても悲しいニュースです。彼が読んだら動揺を超えて興奮し、時に大暴れになってしまうこともあります。そしてまわりに危害を加え入院騒動になることもあります。こういう時、我々は彼を落ち着かせよう、なだめようとするのですが、それは彼にとって、壁を作ってしまうだけのようです。「俺の気持ちが分からねぇ連中」という印象を与えるだけだからです。余計に独りよがりになってしまうのです。

 今日、私が作業所に入ったとき、彼はすでにスポーツ新聞を買いあさっていました。「調子はどうだ?」と聞くと、「いいわけねえだろ。バカヤロウ!」との返事。顔を近づけて威嚇してきます。

よし、俺が彼よりも興奮してやれ!

私は昨日中日ドラゴンズが負けて、巨人に抜かれて2位になったことを大騒ぎした。中日が負けたという一つのニュースで、相手よりも先に大騒ぎをしたのだ。「ちゃんと応援したか?してねえだろ!どうしてくれるんだ!負けちゃったじゃねえかよ!スポーツ紙を俺に見せたら承知しねえぞ!今日は休みだけど、明日も負けたらお前どうなるか覚悟しておけよ!」

私がニュースで大騒ぎしている姿を彼に見せつけた。彼は引いていた。引いたということは冷静になったということだ。彼は私にこう言った「おい、野球バカ。中日が負けたっていうニュースだけで俺を殺す気か?」

私は答えた。「わかった。俺が悪かった。じゃあこれからはニュースで大騒ぎするのはお互いやめような。」

彼は一日落ち着いて作業をしてくれた。

賛否両論あるかと思いますが、これが私の作戦です。まだまだあるぜ!「バカヤロウ」。

「作戦」といっても、要は相手と同じ目線に立つための工夫です。

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