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2007年5月24日 (木)

汚れつちまつた悲しみに

ご無沙汰しております。毎日たくさんの方々にご訪問していただき恐縮です。さて、先週の青葉の森リレーマラソン大会ですが、わが(障害を持つ)10人の仲間たちは見事42.195kmタスキをつなぎ、3時間10分で完走しました。今週末はソフトボールクラブの試合です。2つの法人の総会も今週末にあります。

 昼間、福祉作業所でギャーギャーと大声を出して仕事をして、夜妻が寝た後は会社の仕事をして、朝妻や子供たちが起き出す前に法人事務局の仕事をしています。土日は障害者スポーツ。こんな男なのに逃げ出さない妻は本当に偉いと思います。

 さて、たまには会社のお話しでもしようかと思いましたが、コンタクトレンズが乾いてきて、限界に近づきましたので、先ほど書き上げた資料をここに貼り付けます。仕事のイメージはこんな感じです。ではまた~。

  *表題の意味は何もありません。思いつきというか、息子がなんとなく口にしていた言葉をそのままタイトルにしました。

お礼と感想

 この度は、弊社の受注作業をお引受くださり誠にありがとうございました。ほとんどの施設・作業所の皆様は今回発注分の仕事を完了され、「次はいつ入るのか」とお問い合わせも多数いただいていおります。

   <中略>

 

 さて、今回皆様から集まった箱を検品する中で、私自身気付いたことをお話させていただきます。すべてプラスに受け取っていただき、決してお気を悪くされないようお願いいたします。

 ほとんどの商品は、こちらが想定した合格ラインを超え、自信を持って納品できる水準にあるものでした。しかし他方、ミスの仕方において多少気になる部分もございましたのでお知らせします。

 例えば、大きな一箱に50本入りの小箱が20箱入っています。20箱中1718箱は完璧に仕上がっているのですが、残りの23箱が完璧にミスであるというタイプ。50本入りの小箱のうち、50本全部がダメだというパターンです。

     <中略>

 一つの箱の50本すべてが同じパターンのミスをしているということは、おそらくは箱ごとに利用者(等)に手渡して、作業を行った結果でしょう。作業方法として、それはそれで構いません。ただ問題なのは、その箱は全く確認がされていないことを意味するということです。

 技術的なミスではありません。むしろ技術的には高い人だと考えられます。なぜなら50本すべてが通常より2mmないし3mm高い位置で貼られ、50本すべて同じ形で完成させる技術力があるということだからです。つまり作業過程で、誰かがひとことそのズレを修正させてあげれば、その方は完璧なものを仕上げたはずだということです。これは関わり方の問題であります。そして私は、福祉の世界でもっとも大切なことはこの直接的な関わり方の問題だと思うのです。最初の23本を一緒に手をとってやってみたり、<うまくいった、いかなかった>を一緒に語り合ってみたりして、一緒に修正する。そのような基本的な関わり方さえできていれば、防げるミスだと考えます。

 また、右側の方は完璧に仕上がっているのに段々と雑になってきて、一番左の列はかなり大雑把というミスのパターンもありました。最初の23本を見て「彼ならできる」と判断したものの、途中からおかしくなってくる。これはその人の気持ちの部分まで見えていない場合、起こりやすいミスです。

 授産活動を軸とした福祉活動において、こうした<その人の傾向を知る>ということはとても大切だと思います。一定の時間になると集中力が切れてくる人、周りの環境によって集中力にムラができる人、見ているときと見ていないときの作業にかなりの差が生じる人、さまざまなパターンが存在します。(これは障害あるなしにかかわらず言えることですが。)

 その人の傾向を知り、そのマイナス面をどうフォローアップしていくのか、それがとても大切だと思います。気分転換が必要な人。あえて誰かと競争させながらやる気を引き出してあげるべき人。環境から整えてあげるべき人。対応はさまざまです。

 11本確認させていただく中で、その作業風景が見えてくるようでした。

 自立支援法が成立し、障害者福祉の世界では、器に関することが話題としては先行しがちです。<報酬単価→器(事業形態)→人、作業>というベクトルで発想し語られがちです。しかし大切なのは関わり方の中味だと思います。

<中略>

また、以下のようにも考える必要があると思います。先方事業者が確認をする際、最初に目にしたのが、たまたまミスの多い箱だったら、残りの9割(以上)の評価もそのようなものになってしまいます。ひとりに対してちゃんと関われなかったがゆえに、その作業所全体が<ミスが多いところ>という印象を持たれ、あるいは今回のようなケースでは<障害者団体>全体が、「やっぱり障害者だから…」という印象を与えてしまうということです。先方事業者の<障害者像>もマイナスに作用するでしょう。そして仕事とはそういうものです。

千葉県は全国に先駆けて障害者差別に関する条例が制定されました。それはそれですばらしいことですし、それに携わった方々の努力には本当に頭が下がります。しかし条例だけでは人の心までは変えられません。心を表に出す際にそこに一定の正しい制御がかかる、それが法律であり条例であると思います。そして本当に心に訴えるには、やはり草の根的な活動しかないのだと考えます。福祉の現場で働くものとして、地域の方々、企業関係者、その他に「やっぱり障害者だから…」というマイナスイメージを作ってしまうことだけは避けたいものです。ひとりひとりとじっくり関わり、人との出会いを大切にする。そしてその広がりの中で、出会った相手のこれまでの<障害者観>も少しずつ変えていく。仕事もそのための手段のひとつであるという発想も必要なのだと思います。そういう地道な世界です。

いろんなことを書かせていただきました。そして今回私の不手際で納品時間を間違えたり待たせたりして、大変ご迷惑をおかけしました。作業に関しても、私自身の説明の悪さもあったかと思います。この場でお詫び申し上げますとともに、これに懲りずこれからも弊社にお付き合いくださるよう切に願います。

なお、今回こちらで<不良品>と判断させてもらったものは、「クローバー」のN君にすべて修正してもらって完成させましたので、ご心配には及びません。

<中略>

では今後ともよろしくお願いします。

                       ㈱ふくしねっと工房

                       代表取締役 友野 剛行

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