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2006年10月 3日 (火)

仕事をこなせる・こなせない

福祉の仕事の基本は、人と関わることです。人と関わる時間を充実させるためには、それ以外の「自分の仕事をこなす」ということが実は大切になってきます。そこをどう考えるか、という記事です。関心がある人、関心を持つべき人だけ読んでください。

誰でも仕事をこなせた時はあるし、こなせない時もある。こなせなかった場合の自分の傾向というものがある。自分の傾向を自分自身はどう見ていて、他人は自分をどう見ているのか、そのつながりをつかむことが「自分の傾向を知る」ということです。自分の傾向を知った上で、それはどうまずいのかを考えることが何よりも大切。そのためのひとつのシミュレーションです。

あなたに鉛筆と色鉛筆、そして画用紙が一枚渡されました。仕事の中味は「森の絵を描いてください。10分以内にお願いします。」というもの。この仕事、あなたはこなせませんでした。自分がこなせなかった理由を、以下のタイプから選んでください。

 

 A:「絵を描くのは苦手だなあ…困ったなあ」と思っている間に時間切れ。

 B:「描こうとは思ったんですけど、鉛筆が折れてしまって描けませんでした」という理由がついてくるタイプ。

 C:「急に言われてもできないよ。」「10分でできるわけないよ」とブツブツ言いながら結局は投げてしまうタイプ。

 D:「自分は苦手なので、○○さんが代わりに描いてくれるといっていました。たぶん描いてくれたと思います」というタイプ。

 E:鉛筆でサッサと書き上げ「終わりました」。色がついていないことを指摘されると「色鉛筆を使えという指示はされていません」と言い返す(あるいは腹の中でそう思う)タイプ。

 F:1本の木を一生懸命葉っぱまで丁寧に描き、それに時間を費やし、途中で「このペースでは終わらない」と気付き、あとになって「やっぱり10分では無理です」というタイプ。

 G:1本の木を一生懸命葉っぱまで丁寧に描き、それに時間を費やす。結局1本だけ丁寧に、あとは適当に「やっつけ仕事」をするタイプ。

 H:途中まではスムーズに描きあげ、色を塗る段階で「葉っぱは春夏なら緑、秋なら枯葉の色、冬なら葉っぱは無し。どの季節の森を描くべきか」を質問しようと思っている間に時間切れのタイプ。

 I:苦手意識で手がつかず、最後にギリギリになって「白紙の状態じゃまずい」と思い、とりあえず描き始めた形跡だけを残すタイプ。

 J:その他のタイプ。

この中で、自分はどのタイプだと思っていますか? そしてそういう「こなせなかった仕事」の例を具体的に挙げてみてください。そして他の人にあなたをどのタイプだと見ているかを聞いてみてください。その上で、そういうタイプは何故まずいのかを考えてみてください。

例えば。EとHは形は違いますが、根っこの部分は同じです。仕事を指示された時、言葉で発せられた指示内容を、言葉になっていない部分までつかみとって理解する力があるかないか。そして指示どおりに行うべき領域と、自分の裁量で判断するべき領域の線引きができないということです。違う指示内容で考えて見ましょう。仕事場の上司から「台所洗剤が切れたから買ってきて」と指示されました。箱入りのケースでまとめ買いして注意されたら「ひとつだけ買ってこいとは指示されなかった」というのがEのパターン。洗剤のメーカー・銘柄の指示がなかったため「確認するまで買えない」というのがHのパターン。

「洗剤を買ってきて」という直接の言葉による指示。その裏にあるものをつかみ出すということは、①仕事場で使う洗剤。昼食後使うだけだからたくさんはいらない。②油物を大量に洗うわけではないので、高価なもの入らない。…これが指示内容を理解するということ。その上で、③常識の範囲の安さで、いろんなメーカーのものから自分で1本選ぶ。…これが自分の裁量の範囲。

これがスムーズに、指示した人の想定とズレない形で行える人が、実は仕事をこなせる人です。

最初の例に戻れば、鉛筆と色鉛筆を渡された時点で「色を塗る」ということは、言葉の指示になっていなくても前提として当然考えるべき(E)であり、季節や葉っぱの色、木の種類などは「自分の裁量」として前提にすべき(H)ことで、いちいち確認の手間をとるべきことでないのです。

そういう感じで考えて自分の傾向を整理することは、福祉の世界でも大切なことです。

もう家を出る時間。6時50分に出るのに現在6時40分。ひゃ~!

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