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2006年7月 1日 (土)

ソフトボール、ハッタリ、そして出会いの大切さについて

障害者の働く場とまりぎグループ(7つの福祉作業所)に通う仲間達と卒業生(就職した仲間など)や地域のデイケアの仲間などから構成される「とまりぎソフトボールクラブ」が千葉市の「でいさくさべ」さんから、交流試合において3年越しの「初の1勝」をあげました。

3年前、私は福祉作業所だけでなくデイサービス事業もやろうかな、という思いつきで千葉市の「でいさくさべ」さんに訪問しました。職員の方が親切にサービスメニューなどを教えてくれる中で、ちょっと気になったのが「ソフトボール」というメニュー。

「うちもたまにソフトボールやってるんですよ」と私。「じゃあ今度試合しましょう」とその方。「そうですね」・・・。

思わず口が滑ってしまった。「うちもたまにやっている」といっても、ボールをコロコロ転がして寝かせたバットに当てて、手をつないで1塁に歩くようなもの。「今度試合をしましょう」なんていうレベルではない。でも訪問先で親しみをもってこんな会話を交わし、楽しく帰ってきた。「いい勉強になったなあ」

ところがしばらくして「でいさくさべ」さんから電話。「ソフトボールの試合、いつやりましょうか?」・・・やばい!ボールコロコロがバレてしまう!・・・焦りながらもそれを隠し、日程を調整。「あの~職員もチームに入れてもいいですか?」と私「構いませんが、うちは入れませんよ」と返ってきた。ホームページで「でいさくさべ」を検索。千葉県全体の大会である「ゆうあいぴっくソフトボール選手権」でベスト4! 大変なことになってしまった。いまさら「実はコロコロボールを転がして・・・」なんて言えないよなあ。ピッチャーがボールをコロコロ転がして相手に笑われる夢まで見てしまった。

大慌てでチームを結成。グローブも足りない!左利きの私は右利き用のグラブをはめて練習。あの時は本当によく練習した。父兄に相談。「こういうことで試合をすることになってしまって・・・」。練習試合を組んでもらう。

練習を通じて、それなりに形にはなってきた。「勝てるかも!」(いま思うと恥ずかしい!)それなりに自信をもって試合に臨み、完敗。「でいさくさべ」さんからすれば、練習相手にもならなかった。でも快く「またやりましょう」といってくださる。

作業所に戻ってみんなと話し、「とまりぎソフトボールクラブ」正式に発足。毎週練習を重ねてきた。「でいさくさべ」さんは何度も練習試合をしてくれた。もちろん勝てはしなかったが、点差だけは少しずつ縮まっていった。20点差・18点差・15点差という感じで・・・。

それから2年。うちも強くなった。千葉県全体の大会「ゆうあいぴっく」ソフトボール選手権大会(2部)でもベスト4まで勝ち上がり、記録の上では「でいさくさべ」さんに追いついた。「でも勝ったことがない」・・・。

チームの何人かが「千葉県選抜チーム強化練習」に参加し、トップクラスの練習を肌で感じた。うち1名が千葉県代表選手になった。「でも、でいさくさべさんには勝ったことがない」・・・。

そして昨日、ついにその日がやってきた。お互いベストメンバーでなく、レベル的にはお互い多少落ちた試合だったが逆転逆転の攻防戦の末、Yさん(女性)の逆転満塁ホームランなどで見事勝利!(Yさんは、知的障害者女子ソフトボール投げの県大会大会記録を持っている)

試合後、向こうの選手たちから握手を求めてやってきてくれた。「おたがい、次のゆうあいぴっくで頑張ろう!」

その時ふと、あの3年前の「うちもたまにソフトボールをやってるんですよ」という私のハッタリを思い出し、その恥ずかしい感覚を思い出した。

あのハッタリがあったこと。そしてこの弱小チームにお付き合いし続けてくれた「でいさくさべ」のみなさんとの出会いがあったこと。そして何よりも選手たちがきつい練習に耐えてきてくれたこと。そしてこの日の初勝利があった。

「でいさくさべ」さんへの本当の恩返しは、今年秋の「ゆうあいぴっく」。どうか決勝まで当たらないように、祈っています。お互い決勝まではいくでしょう。決勝で当たれば、どっちが勝っても構わない。(勝ちたいけどね。)3年間の付き合いの全ての思いを、その試合に出したいと思います。

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