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2006年6月15日 (木)

昨日の夕食

私は夕飯はご飯と納豆と決めている。我が家のルールだ。にもかかわらずその日に出てきたのは冷やし中華。私は家族のために一生懸命働いている。なのに何故冷やし中華なのか?しかも納豆はきちんと出てきている。

食後、台所をのぞくと、炊飯器のお釜の中に元気なアサリたち。そしてヤドカリも。

事態はつかめた。要はこういうことだ。その日、ある福祉作業所が潮干狩りに行くというので、「うちのカミさんと息子たちをつれてってよ!」と頼んでおいた。妻と息子たちは潮干狩りでアサリを取ってきて、とりあえず目の前にあったお釜に入れておいた。そしておそらくはそれを見ているうちに愛情が湧いてきてしまったのだろう。そして長男あたりが「食べちゃだめ!」と抗議したのだろう。息子二人の強烈なシュプレッヒコールを前に、おそらくカミさんは屈する形で、料理を断念したのだろう。しかし水槽に移すと更なる情を誘発するのでそれもできず、かといって鍋に移すわけにはいかない。どうすることもできずアサリたちはそのままお釜の中。当然亭主のご飯を炊くこともできない。そこで出てきたのが冷やし中華だ。

 蚊をたたくだけで「死んじゃうよ!」と怒り出したり、カマキリを捕まえてもキスをする2歳の長男。アリをみても「ワンワン(かわいい動物の総称のようだ)がいた~」ととろけてしまう1歳の次男。この二人を前にして、生きたままのアサリを持ち帰ること自体が妻の失敗だ。そして潮干狩りに生かせた私の失敗だ。甘んじて食べようじゃないか!この冷やし中華を。

ところでその福祉作業所の潮干狩りも、作業所職員の報告によればなかなか考えさせられるものだったようだ。最年少のK君は、アサリそっちのけでヤドカリを大量に拾う。そして帰り際に一人悩むK君。かわいいからもって帰りたい。でももって帰ったら死んじゃうからかわいそう。でもこのまま別れることはできない。立ちすくむK君に職員Mがやさしく諭す。しばらくした後、意を決したK君は、そのやさしさの全てでヤドカリたちを解放した。

K君への相談支援。ヤドカリたちへの社会復帰支援。この職員Mは、ふたつの支援を同時にやってのけた。

最近いわゆる「福祉」の世界のの人たちは、やれ補助金が出ないからこの支援はできない・やれ補助金が削られたからこの事業はできないと大騒ぎの様相だが、本当の「福祉」は金がでる・でないじゃない。・・・話を戻そう。

さて、昨夜の冷やし中華とアサリの問題から一日たって、今日私が家に帰ると妻から相談。「アサリ、みんなべろ出して、見てると可愛いねぇ」・・・(お前までも!)「もう食べられないよ」と妻。「仕方ない。お兄ちゃん(長男)と話し合って決めなさい。」と私。

その時点でお釜から水槽に移しかえられていたアサリたちの可愛さに、兄弟は大興奮。奪い合いになりお兄ちゃんのビンタも飛ぶ状況。「お兄ちゃん、アサリ食べる?海に返す?」と私が聞くと「海に返さない。でも、食べたら死んじゃうよ」と悩む長男。次男はただアサリを触りたくて、お兄ちゃんに泣きながらタックル。

悩みに悩んで「かあちゃん、明日海に返しに行こう」と長男。我が家の2日がかりのアサリ問題はようやく決着がついたようだ。

2歳の長男の心の揺れ動きとその純粋さには、胸を締めつけられるような感覚を抱く。でも福祉の現場でもそれに似た感動を数多くもらうことができる。たとえ数の上ではがっかりしたり呆れ返ることのほうが多いのだとしても、だ。

明日雨が上がるといいな。

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コメント

意外に亭主関白らしい書き出しにびっくり! 息子さんたち、やっぱり優しい!生き物大好きなんだね。これからの季節、蚊をたたいて怒られちゃうのはちょっと大変かも・・・。我が家では蚊取り線香ではなく、蚊よけ線香をたくよ。自然な香りもオススメ。 アサリは海に返されたんだ~。かあちゃんブログの答えを見れたようですっきり!

投稿: のぽぽん | 2006年6月16日 (金) 21時41分

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